右翼と左翼

最近ちょっと「右翼・左翼」とは何かという問題が話題になっている。
用語解説:右翼と左翼 - 松尾匡のページ

これについて言いたいことは山ほどあるけれど、面倒なんで、いつか書くかもしれないけれど省略して、俺基準の「右翼・左翼」について書いてみる。


実のところ「右翼とは何か」「左翼とは何か」という問題はとてもややこしい。


ただ、日本で一般的に使われているところの「右翼・左翼」の区別で言えば、
「右翼」とは「左翼」でないものである
と規定すれば非常に単純になる。

「左翼」でないものが「右翼」。当たり前のことなんだけれど、これが基本。それ以上の説明をしようとすると面倒なことになる。世の中を「人間」と「人間でないもの」に分けたとき、犬や猫、山や海、火や水、鉄や銅などに共通するものを「人間でないもの」以外の言葉で簡潔に説明せよと言われても難しいのと同じ。


ただし、左翼でないものを全て右翼と呼ぶかというと、そういうわけではない。通常は「左翼と極端に相容れないもの・表立って対立するもの」を「右翼」と呼び、それ以外は特に何と呼ぶわけでもない。しかし、世論調査や選挙で左翼と相容れない結果が出たときなどは「右傾化」したと呼ぶことがしばしばある。


で、その「左翼」とは何かということになるんだけれど、これもまた難しい。しかし、俺の独断と偏見で書けば「左翼」とは理想主義者のことである。


ところが、ここで問題が生じる。というのも右翼と呼ばれる中にも理想主義的傾向が濃厚な人達がいるから。本音を言えば、彼らのことも「左翼」と呼びたいのだが、それは一般に通用しないので「右翼」と呼ぶしかない。


これを図示すれば以下のようになる。

太い枠で囲われた部分を「左翼」と呼びたいのだが、一般に「左翼」とされているものとは対立しているので「左翼でない=右翼」となってしまう。すると見てのとおり、枠の外と枠の中という全く異なった場所にあるものが、同じ「右翼」となってしまう。しかも、現実には、主に「右翼」という言葉を使用する場合、この枠内の「右翼」を指す場合が多い。そして、枠外にいる「右翼」の方は「保守」という用語を自他共に使う傾向があるけれども、枠内の「右翼」も「保守」(彼らは「真の保守」という言葉が好きである)を自称するから、それで区別することも難しい。


で、一般的に言われるところの「左翼」とは何かと言えば、理想主義者の中で、「民主主義」を理想とする人達のことであると大雑把にまとめて考えればよいだろう。と言うと、まるでその他が「民主主義」を支持していないかのように聞こえるけれど、そういうことではなく、大雑把に言えば、民主主義を「目的」と考えるか「手段」と考えるかの違いということになると思われ。


って、かなり大雑把。自分でもツッコミどころあると思うけれど、力尽きたので、今日はこれまで。