黒百合伝説

『あやかし考』(田中貴子 平凡社)図書館で読んできた(4〜5年前にも図書館で読んだことあるんだけれど)。


まあ、これは論文じゃなくてエッセイですよね。「淀君」が蔑称だということについて触れているのは、わずか数行で、これだけじゃ賛成とも反対とも判断しがたい。


素人の俺からすれば、

彼女が「淀君」と呼ばれるのは、江戸時代の戯作や講談で、色香で秀吉を籠絡し自由奔放に振る舞い、結果的には豊臣家を滅亡させた悪女として描かれてきたせいである。

と言われても、「江戸時代の戯作や講談」を知らないので、これ以上検証することさえできない。それは論文ではないから仕方ないのかもしれないけれど。ネットに情報はないかと調べてもそういう情報が見つからないので大いに困っている。淀君が蔑称かそうでないかという点だけではなく、それ以上に江戸時代の「淀君伝説」に非常に興味があるんだけれど難しいですね。


あと、『絵本太閤記』の「黒百合事件」なんだけれど、これはネットの掲示板でも良く取り上げられていたので知ってたんだけれど、これが史実か史実でないかというのが大方の人が興味を持つところであり、史実でないというのが結論で、それはその通りなんだけれど、それより何より、この「伝説」は何を表現しているのかというと、それは淀殿北政所の確執とか「淀殿の底意地の悪さ」が主題なんじゃなくて、佐々成政に殺された百合姫の怨霊が復讐するというのが主題なんじゃないかと思うんですよね。淀殿北政所の話は成政滅亡の原因として必要だったからあるのであって、その逆じゃないと思うんですよね。


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ちなみに、「黒百合事件」は佐々成政を貶めるために作られたって、こっちはこっちで「陰謀論」があるようですね。