モーツァルト効果

【5月11日 AFP】1993年に発表された、オーストリアの作曲家ウォルフガング・アマデウスモーツァルトWolfgang Amadeus Mozart)の曲を聴くと頭が良くなるという有名な「モーツァルト効果(Mozart effect)」。この効果を否定する研究結果を、同じくオーストリアウィーン大学(Vienna University)心理学部の研究チームが10日、発表した。

 研究チームは、1993年以降のモーツァルト効果の再現を試みた研究を収集し、効果が存在するとした証拠はないと結論付けた。

 1993年に米カリフォルニア大学(University of California)が行った研究では、モーツァルトの1781年の作品「2台のピアノのためのソナタ ニ長調」を聴かせた学生グループは、別の音楽を聴かせたグループや何も聴かせなかったグループに比べ、論理思考テストの成績が良かったという結果が示されていた。

モーツァルト聴いても頭は良くならない!?「地元」ウィーン大発表 国際ニュース : AFPBB News


主に俺の無知が理由だが、ちょっと意味がわからない。効果が有るのか、無いのかということじゃなくて。


クラシック音楽を聴くと頭が良くなるという話は俺が子供の頃からあった(ロック、特にヘビメタは逆効果云々という話もあった)。で、実際、俺はテスト勉強の時、FM放送のクラシック番組とか聴いていた(「本気で信じていたというわけでもないけれど、聴いたからといって害があるわけでもなし」「クラシックが好きというわけじゃないけれど、知ってても損はないだろう」という緩い考えで)。


ところが、ウィキペディアを見ると、

モーツァルト効果(モーツァルトこうか)とは、モーツァルトに代表されるクラシック音楽を聴くと頭が良くなる、と主張される効果。

1990年代に行われた心理学研究に端を発するが、徐々に拡大解釈されるようになり、現在では音楽産業や教育分野で消費者の関心を惹くために喧伝されることが多い。「The Mozart effect」は米国のドン・キャンベルによって商標登録されている[1]。

モーツァルト効果 - Wikipedia


とある。そして、あらためてAFPの記事を見ると「1993年に発表された」とある。ネット上の反応を見ると、その筋では良く知られた話のようなんだけれど、俺はこっちは全く知らなかった。


で、良くわからないのが、昔から言われていた話と、「モーツァルト効果」の関係。考えるに、「モーツァルト効果」という場合、それは「科学」(あるいは「ニセ科学」)としてのものであって、それ以前から言われていたことは、「科学」の土俵に立っていないと見なされていたということではないかと思うんだけど、自信があるわけではない。



次に、今回何が否定されたのかというと、

オーストリアの作曲家ウォルフガング・アマデウスモーツァルトWolfgang Amadeus Mozart)の曲を聴くと頭が良くなるという有名な「モーツァルト効果(Mozart effect)」。

そして、

 研究チームを率いたJakob Pietschnig氏はAFPに対し、「音楽を聴かせたグループは、それがモーツァルトだろうがバッハ(Johann Sebastian Bach)やパール・ジャムPearl Jam)であっても、何も聴かせなかったグループよりも成績は良かった。だが、刺激があればパフォーマンスが向上することはすでに知られている事実だ」と語った。

とある。


つまり、ここで言う、「モーツァルト効果」は、モーツァルト限定」の話であり、ウィキペディアにある、「モーツァルトに代表されるクラシック音楽を聴くと頭が良くなる」の否定ではないということになる(もちろん「頭が良くなる」とはどういうことかという問題があるわけだが)。クラシックだろうが、ロックだろうが聴けば効果があるということは、「すでに知られている事実」なのだそうだが、俺は恥ずかしながら知らなかった。



ところで、ウィキペディアの説明によると、「モーツァルト効果」は頭が良くなる効果があるに留まらないらしい。


モーツァルト効果はここまで拡大解釈されていた | 鼬、キーボードを叩く
によると、

ところが、1996年、ドン・キャンベルは「The Mozart Effect」を商標として登録し、モーツァルト効果を大々的に宣伝し始めた。彼はラウシャーらの研究結果を拡大解釈し、モーツァルトの楽曲はエイズや糖尿病、各種アレルギーの治癒にも効果的と謳った。

とある。今回の否定にそれは含まれていない。含まれていないから認められたのだということでないのは当然だ。逆に、今回それについて言及されていないのに、否定されたということをもって、こっちまで否定することはできない(今のところそういう言説は見てないけど)。こっちについては、今回の否定を持ち出すまでもない、それ以前の話だろう。