単身世帯・二人世帯の増加と新聞離れについては前に考察したことがある。
⇒なぜ新聞は売れなくなったのか(その1)
(これは全世代において世帯人員数が減少しているということを念頭に置いたもの)
さて、上の記事にもあるように、日本の単身世帯は増加している。しかし、これは性別・年齢別に見る必要がある。
これについては、みずほ情報総研(株)藤森克彦氏のレポートが詳しい。
⇒単身急増社会の衝撃(注:PDF)
ここに年齢階層別に見た単身世帯数の変化(1985年=1倍)という表があり、これによると1985年から2005年の間に20代男性の単身世帯数は1.0倍すなわち変化なし。それに対して50代男性が3.7、60代男性4.8、70代男性4.1、80代男性5.3というように高齢者の単身世帯化が著しい。また、同じ20代でも女性の場合は1.6、30代女性は2.5というように若年層女性の単身化が男性よりも多い。なお30代男性も1.7となっており晩婚化の影響があると思われ。
もし、元々若者は新聞を読まなかったということであれば、20男性の単身世帯数は85年から05年の間に変化がないのだから、購読者数にも変化はないということになると思われるが果してどうであろうか?年齢・性別による新聞購読者数の推移がわかる統計が見つからないので確かなことはいえないけれど、やはりこの階層でも購読者は減っているのではなかろうか。
なお、05/02/28の山陰中央日報の記事に
⇒山陰中央新報 - 情報媒体選別進む/日本新聞協会が「盛年層と新聞」調査
月決め購読者は70.1%で、ここ8年間で10ポイント減少した。特に単身者の63.5%が非購読だった。また、新聞と日常的に接触のない人が全体で19.2%で、特に単身者の38.5%が閲読もしていなかった。
とある。これは単身者のみを調査したものではないから、全体として購読者が減少していることになる。このうち単身世帯増加による要因がどのくらいあるのかは、先の統計と若者世代の単身世帯の割合を組み合わせれば推測できそうだけど、今はその時間がない。
※ ところで、こういう分析では触れられていないのだが、最近のマンションはワンルーム型でもセキュリティがしっかりしていてオートロックになっているものも増えてきて、セールスマンが無断で入れないようになっていたりする。案外そういうことも影響があったりして。
(追記)
⇒図録▽新聞を読まなくなった日本人
これを見れば明らかに若者(だけではないけれど)は新聞を読まなくなっている。