統計

先日の
規制緩和でバスの事故は増えたのか。大統領選で国民が緊縮財政にNOを選択したフランスと、増税でも解散もない日本国民の不幸 | 高橋洋一ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
という記事を真っ先にブックマークしたのは
はてなブックマーク - 規制緩和でバスの事故は増えたのか。大統領選で国民が緊縮財政にNOを選択したフランスと、増税でも解散もない日本国民の不幸  | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
finalvent氏のようだが、今度は、
就活失敗し自殺する若者急増…4年で2・5倍に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
という記事に言及している。
就活失敗し自殺する若者急増? - finalventの日記

 全体から見ると、1998年に急増し、2002年にこの間の最小となり、2004年以降あまり変化がない。(ちなみに小泉内閣は2001年から2006年。)

 この間の10代20代の人口の推移は補正していないものの、2003年から2010年の間に大きな変化はない。

 で、読売の記事に戻ると、全体が変化がないのに、「就活の悩みで自殺」が増加しているということは、どこかで帳尻を合わせて減った自殺理由でもあるということになるのだが、そこがわからない。

finalventの日記にリンクが貼ってある統計を見てみた。
自殺統計(警察庁リンク) - 内閣府

「年齢別自殺者の推移」という表があるがこれを参考にしたのだろうか?表には「〜19歳」「20〜29歳」とあるのでこれを足したということか?
(これだと「10代と20代の全体の自殺数」ではなくて「0〜29歳の自殺者数」になる。10歳未満の自殺者数は少ないだろうけど)


で、2007(平成19)年の自殺者数は「〜19歳」「20〜29歳」と足すと548+3309=3857人、以下2008年が611+3438=4049人、2009年が565+3470=4035人、2010年が552+3240=3792人となる。


確かに「あまり変化がない」とは言えるだろう。ただし増減数で見れば2007〜2008年で192人増、2008年〜2009年で14人減、2009年〜2010年で243人減となる。すなわち若者の自殺者が200人程度増えても減っても「あまり変化がない」ということになる。


一方、就活の悩みで自殺した人は2007年には60人だったのが2011年には150人と2.5倍に増えたのだが、数としては90人増えたにすぎない。200人程度の増減で「あまり変化がない」のだから、finalvent氏は『他の理由付けによる自殺が「就活の悩みで自殺」に移行した』と言ってるけれど、「移行」などで説明しなくても4000人前後の自殺者の中での90人の増加は埋もれてしまうでしょうね(可能性が無いとは言い切れないけれど)。


しかしながら10年から11年は若干減っているけれど、07年から10年までに就活の悩みで自殺した人の数は右肩上がりで急増している。どう考えたって軽視してよいものではないと思いますね。