昨日から話題になってるやつ。自分の勉強も兼ねて。
相対的貧困[7](そうたいてきひんこん)の定義は「等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員」であり、この割合を示すものが相対的貧困率である。ただし、預貯金や不動産等の資産は考慮していない[8]。
重要キーワード
「世帯の可処分所得」・「等価可処分所得」・「中央値」
中央値は平均値と類似した目的で使うが、用途によっては中央値のほうが平均値よりも優れていることがある。これは、たとえば年収の場合を考えてみるとわかりやすい。
貧富の差が激しい国では、一部の富裕層が平均年収をつり上げてしまっている為、平均年収は「普通の人」の年収よりもずっと高い値になってしまう。この為平均年収は「普通の人」の生活水準を推し測るには向かない。例えば、人口100人の集落で、90人が年収200万円だとしても、10人が年収5000万円であれば平均年収は680万円となってしまい、実態と大きくかけ離れることになる。
一方中央値は、年収が低い順(高い順)に国民を並べたときに丁度真ん中になる人の年収を表している為、一部の富裕層の年収は中央値に影響せず、中央値は「普通の人」の生活水準により近くなる。
実際、例えば億万長者が小さな町に引っ越してくれば平均年収はつり上がってしまうが、年収の中央値はほとんど変わらない。大金持ちが一人引っ越して来たただけで、「普通の人」の生活水準が変化するとはいえず、中央値のほうがより直感に近い事がわかる。
厚生労働省の調査では、日本の相対的貧困は2012年の時点で16.1%であり、データが存在する1985年以降、1991年、1994年、1997年、2000年、2003年、2006年、2009年、2012年という3年ごとの調査の中で最も高い数値となっている[12]。
2013年の国民生活基礎調査では、日本の2012年の等価可処分所得の中央値(名目値244万円、1985年基準実質値221万円)の半分(名目値122万円、1985年基準実質値111万円)未満が、相対的貧困率の対象となる。各名目値で単身者では手取り所得が約122万円、2人世帯では約173万円、3人世帯では約211万円、4人世帯では約244万円に相当する。
1年の総労働時間を法定労働時間2096時間〜2080時間とすれば、名目値122万円の年収に達する時給は約583円〜587円以上となり最低賃金水準を下回る、2人世帯では時給約826円〜832円、3人世帯では時給約1,007円〜1,015円、4人世帯では時給約1,165円〜1,174円で名目値の年収に達する。
つまり、日本では「等価可処分所得」が名目値244万円以上の世帯と以下の世帯が同数いるってこと。つまり50%+50%(で合ってるよね)。で、その50%の中で相対的な貧困層が2012年だと16.1%。残り33.9%は中央値以下だけど貧困層ではない世帯。中央値が244万って少なすぎるようにみえるけれど、年金暮らしの人も含まれてるからそうなるんだろう。預貯金は含まれてないから取り崩して暮らしてる豊かな人もいるはず。子供の貧困率が16.3%というのは全体の数字とさほど違わないように見えるけれど、親が年金暮らしの子供はそうはいないだろうから、それを考慮する必要があるだろう。会社員の年収の中央値は検索すると結構バラバラなんだけどDODAによれば400万(男性420万、女性310万)
⇒20歳〜59歳の年収データ一覧 |転職ならDODA(デューダ)
ただし、年齢が高くなるほど収入が高くなってるから扶養家族のいる世帯の年齢も考慮しなければならない。たとえば親が20歳だと中央値が220万なので、共稼ぎでない乳幼児がいる世帯の貧困率はかなり高く、年齢が上がるに連れて貧困率が下がると思われ(ややこしい)。
※ (追記)でも420万で3人家族なら√3で割れば等価所得は約242万か。4人家族なら200万。可処分所得だからさらに下がるのか。世帯平均人員は2.5人だけど高齢者の方が世帯人員少ないはずだから現役世代の方が世帯人員多いはず。でも共稼ぎを考慮しなければならないから、やっぱややこしい。
※ 2015年の1世帯あたり所得の中央値は427万。会社員の年収の中央値とほぼ同じ。でもこれはリタイア世代も含めての話だろうから共稼ぎが含まれる現役世代の1世帯あたり所得の中央値はもっと高いはず。
で、「等価可処分所得」とは「世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得」だから、年収(可処分所得)244万円以下の4人世帯は貧困層だけれど、年収130万円(同)の単身者は(低収入で結婚できなくて子供も持てなくても)貧困層ではない(ということですよね)。貧困率下げるためには低所得者は結婚させない、子供を産ませないって手も論理上はありえるってことですよね。
ところで、例の彼女はアルバイトをしているらしい。彼女の収入が世帯収入としてカウントされてるのかは不明(普通に考えて計算に入れるべきものだと思う)。月手取り5万だとして年60万、3万だとして年36万なので、何人家族なのか知らないけど2人世帯だったら約173万円が分かれ目だから、相対的貧困か否かに与える影響は大きい。
あとキーボード云々は記事によれば中学の時の話であって現在の話ではないのだが、それを理解してない人多すぎ。中学時代にはバイトしてないでしょう。してたとしても現在より収入は少なったはず。つまり今より(バイト収入をカウントしてるのかしてないのか問題があるけど実質の)世帯収入が少なかった可能性が高い(母親の収入が変化してないとした場合。変化してたらまたそれも考慮しなければならない。要するに情報が足りない)。
2012年時点の子どもの貧困率は16.3%。40人学級だと平均6.52人が貧困層という計算になる(追記:ただし上に書いたように親の年齢が上がれば平均所得が増えるので(もちろん上がらない人もいるが)16.3%で計算していいのかという問題がある。ややこしい)
「みんながパソコンが家にあるのが当たり前なんだな」と言ってるけれど、これをどう理解すればいいのか?印象としては彼女だけが持っていないように受け取れるけれど、そうではない可能性もある。なお「家にある」だから親が持ってるのは「家にある」の中に入るはず。彼女の家が貧困層の中でもさらに貧困の部類だったのか?たまたまそのクラスには貧困層が少なかったのか?貧困層でも仕事に使うために親が持っていて彼女の家にだけなかったのか?あるいはそれ以外の可能性も。なお貧困層以外の家にならパソコンがあるとは限らない。ちなみに、最近の若者はPCの使い方を知らない、キーボードの打ち方を知らないという話題が最近あった。
あと当然のことながら所得の話なので貧困層か否かに所得を何に使ったのかは関係ない。
※ 当局はもっときめ細かい貧困率調査をすべき。特に子供の年齢別の貧困率は必須だと思われ(もうやってるのかもしれないが)。あと専門家もデータを恣意的に解釈して右だろうが左だろうが自分の政治的立ち位置に都合よく利用すべきでなく、専門的な知識でちゃんと解説すべき。