STAP論文騒動のよくわからないこと(その8)

笹井芳樹氏の責任について


かなり専門的な話になってくるのでついていけない部分が多々あるけれど、ド素人の感想として的外れかもしれないけれど書いておく。


この場合の「責任」とは小保方氏の不正を阻止することができなかったということになるだろう。さらに分割すれば「彼女への指導の責任」「不正を見抜けなかったことの責任」「彼女を採用したことの責任」ということになるんだと思う。その中の「不正を見抜けなかったことの責任」について。


そもそも不正がなぜ発覚したのかといえば、生物学の常識を覆すような発見であることや、追試の成功例が出ないことによって、論文に疑問を持った人達が検証する中で、画像の不正が見つかったということでしょう。それを事前に見つけることが可能だったのかといえば、事後に出来たのだから可能だったということはできるけれども、確認しなかったのは笹井氏個人の問題なのか、それとも科学界では普通のことなのかという点を考えなければならないでしょう。後者だったとしたら笹井氏がその責任を認めるということは他の科学者にも多大な影響があることであり軽率に認めるわけにはいかないんじゃないだろうか?


で、繰り返すけれど不正が発覚したのはSTAP論文自体に疑惑が持たれたからだ。不正が発覚したことにより疑惑がより強固になったということはできるけれど、不正が発覚したから疑惑が発生したのではなくてその逆だという点は押さえておかなければならないと思う。


笹井氏の場合は「STAP現象を前提にしないと容易に説明できないデータがある」と考えているわけで、その点が不正を見つけた人達とは異なっているのだ。つまり不正を見つけようという動機が無いのだ。批判者のように「STAP現象でなくても説明可能」と考えているのであれば、より厳密に調べて画像の不正を見つけることができたかもしれないけれど、そうではないのだからそこまでする必要はないと考えたのではなかろか?


もちろん「STAP現象を前提にしないと容易に説明できないデータがある」という考え自体が誤りである可能性はある。しかし笹井氏は将来ノーベル賞を受賞するかもしれないとされる日本のトップレベルの科学者だ。その科学者がそう考えているのを軽くみることはできないだろう。科学ジャーナリストや科学者がこの点を批判しているけれども、それはもしかしたら正しい批判なのかもしれないし、ある程度の知識のある人ほどそれに同意するのかもしれないけれども、現時点で早々に結論を出すことはできないだろう。もっとレベルの高いところからの批評を待つべきではないか。


で、笹井氏が「STAP現象を前提にしないと容易に説明できないデータがある」という「誤った考え」を持ってしまったが故に不正を見抜けなったのだとしたら、科学の間違いは別に罪ではない。そして「誤った考え」というのは結果論であって本人は正しいと考えているわけだから、それゆえに不正が発見できないことが問題なら、あらゆる研究において現在よりもより厳密なチェックをしなければならないということになるのではないか?



いやそんな話ではなく、どこでも普通にやっている程度のチェックを怠ったのだという話なのかもしれない。あくまでド素人の俺にはそういうイメージが沸いたということ。