⇒血液型性格判断が「”予言の自己成就”の可能性もあった」というのは、けっこう重大な危機?だったのではないか - 見えない道場本舗
経由
⇒血液型と性格が関連する予言の自己成就は起きていなかった? | Kousyoublog
Sakamoto & Yamazaki(2004)は 1980 年代のデータを用いて,社会に血液型性格判断の知識が広まることにより,結果として血液型と性格が関連する予言の自己成就が生じる可能性を示唆した。これが正しければ,1980 年代から 20 年経過した 2000 年代では実際に血液型と性格が関連してしまうという予測も成り立つ。しかし,本研究は,2000 年代のデータで血液型間の差は見られないことを示した。そのため,血液型と性格に社会的な意味での関連が生まれる予言の自己成就は起きていなかった。
もし「血液型と性格が関連する予言の自己成就」が生じるとすれば、たとえば企業の新卒採用などにおいて、数人しか採用しない中小企業には殆ど影響がないだろうが、何百人も採用するような大企業においては、仮に望ましい人材が血液型性格判断におけるA型タイプだったとすると、血液型を考慮しないで採用した場合とA型のみを採用した場合では、「自己成就」が生じる可能性が僅かだったとしても全体で見れば差が生じるわけで、その差がたとえ1人だけだったとしても人材を採用するに当たっての費用は馬鹿にならないのであるから、採用時に血液型を考慮に入れるのは合理性があることになってしまうのである。
この縄田健悟九州大学講師(論文書いたのは京都文教大学時代みたいだが)の研究は、そういうことをしても無駄だということを立証したものだということになるだろう。
(もちろん万一この研究結果とは逆に意味があるという結果が出たとしても、人権問題としてそういうことが許されるのかということになるが)
ところで、このことを俺は2009年3月に問題提起しているのである。
⇒血液型性格判断について - 国家鮟鱇
当時も、そして現在でもネット上には血液型性格判断を否定する立場の人々が、「血液型と性格が関連する予言の自己成就」(という呼び方は今回はじめて知った(訂正:当時「血液型ステレオタイプによる自己成就現象」という論文を知ったのですっかり忘れてたけどはじめてではなかった)。一般的には「刷り込み」と呼ばれている)を論拠にしているものが多数あるのである。
⇒血液型 刷り込み(Google検索)
これを論拠にしてしまうと上に書いたようなことに正当性を与えてしまいかねない危険があるにも関わらず、そのことにあまりにも無神経なんじゃないかと常々思っていたのだ。
縄田氏の研究は非常に重要なものだということができよう。
(まさか俺の記事を見て研究しようと思い立ったわけではないだろうけれど)