モアイ3

前の記事の追記にも書いたけれど、ネットで話題になった巨大な胴体を持つ発掘されたモアイ像の写真は一部で偽物との話も出回っているけれど本物であることを確認。


2011年のツイートで俺も当時見たような記憶があるようなないような。


ニュートンの記事によれば

ヘイエルダール(最上段の青い服)が発掘したモアイ。

トール・ヘイエルダール - Wikipedia
※なお発掘は1955年に行われたそうだ。したがって写真も1955年のものだろう。(訂正)1987年の写真らしい。下に追記した。


さらに続けて

 通称ピロピロとよばれるこのモアイは,胸部まで埋まっていた。
 ラノ・ララクのふもとに頭部しかみえない状態で存在するほかの多くのモアイも,掘り下げると手やふんどしはもちろん,背中に入れ墨までほどこされたほぼ完ぺきな状態であることが多い。

とある。というわけで考古学者やモアイに詳しい人にとっては常識的なことであったのだった。



ところで、BUSHOO!JAPANという歴史を扱ったそこそこ有名なサイトがあるのだが、そこに
イースター島のモアイが肩から下を脱いだら"遠山の金さん"ですごかった!
という記事がある。そこにデイリー・ミラーからの引用という形で

「そう考えてしまうのは、肩から上だけしか無い像が約150体あるからです。それらが火山の麓にあり、最も美しく有名となっていたのです」と、プロジェクトのメンバーであるジョー・アン。ヴァン・ティルブルグ氏。「それらを見た人が、他の発掘されていない像も頭だけだろうと思ってしまっているのです」

とある。あの写真を見て驚いた人が多かった理由は俺が推測したのと同じ。それはともかく気になったのは「肩から上だけしか無い像が約150体ある」というところ。それってマジ?「モアイに胴体があった」とネット界では騒がれているけれど、むしろ逆に「胴体の無いモアイがある」のだとしたらその方が重大問題ではないのか?(という話は既に書いた


驚いて原文を確認したら

She said: "The reason people think they are (only) heads is there are about 150 statues buried up to the shoulders on the slope of a volcano, and these are the most famous, most beautiful and most photographed of all the Easter Island statues.

Amazing pictures show moment archaeologists discovered Easter Island statues were covered in TATTOOS - Mirror Online

訳せば「人々が頭部だけしか無いと考える理由は、火山の斜面に肩まで埋められた約150の彫像があり、これらが全てのイースター島の彫像の中で最も有名で、最も美しく、そして最も写真に取られているからです、と彼女は述べた」ということでしょう。


したがって「肩から上だけしか無い像」というのは誤訳でしょう。まあ「肩から上だけしか無い像」というのは「肩から上だけしか見えない像」という意味で訳したと好意的に解釈することもできなくはないけれど、明らかに誤解を生じさせますよね。


※なお「buried」は「bury(埋める、埋蔵する)の過去形であり、人為的に埋めたということを言ってるのではないかとふと思ったのだが、英語に自信がないのでわからない。自然に埋まった場合にもこう表現するのかもしれない。

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(追記6/20)


だそうです。


なおピロピロというのはこのモアイ固有の名前ではなく、モアイにはトゥリトゥリとかナウナウとかピロピロとか呼ばれているものがあるあしい。よく見る肩から下が埋まってるモアイもピロピロだそうだ。あと


ということでこのモアイはあの有名な肩から下が埋まってるモアイの一つだそうだ。しかし写真で見た倒れているモアイはこんなに大きくないように見える。もし大きさがバラバラなのならなぜみんな一様に肩から下が埋まった状態なのだろうか?疑問は尽きない。

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