浦島太郎とウラシマ効果(浦島太郎はどうして老人になったのか?)

ウラシマ効果について長々と書いてきた。しかし本当に書きたかったことはこれ。


もう少しだけウラシマ効果について。

そのため、光速に近い速度の宇宙船に乗って宇宙旅行をして帰還すると、地上では宇宙船での何倍もの時間が経過しており、宇宙船の乗組員は、さながら浦島太郎の様相を呈することとなる。そのため、日本では、この効果のことを俗にウラシマ効果と呼んでいる。(物理学用語ではなく、ふつう「ウラシマ」と片仮名表記する)。

『浦島太郎』と違うのは、当人はそのままの状態で、物語の浦島太郎の様に(玉手箱が存在するとして、それを開けたとしても)加齢すると言うことはない(のが自然である)。

浦島太郎 - Wikipedia


浦島太郎が光速宇宙船に乗ったために3年後に故郷に帰ってきたときには地上では700年(『御伽草子』)経過していた。もしそうだったとしても、それでもって太郎が老人になることはない。少なくとも物理法則では説明不可能だろう。


では、どうして浦島太郎は老人になってしまったのか?


既に書いたように龍宮城での時間は現世界の時間の流れとは違うからである。


と言いたいところだけれども、よく考えたらおかしな話である。


相対性理論によれば光速に近い速度で移動していれば、地上で700年経過していようとも3年しか年を取らない。


同じように時間の流れが違う龍宮城で3年過ごしていれば太郎も3年しか年を取らないと考えるのが自然ではないだろうか?


なぜ元の世界に戻ったら老人になってしまうのか?


その説明を『御伽草子』ではこのようにしている。

さて浦島は鶴になりて、虚空に飛びのぼりける折、此の浦島が年を龜が計らひとして、筥の中にたゝみ入れにけり、さてこそ七百年の齡を保ちけれ。明けて見るなとありしを明けにけるこそ由なけれ。

(「折」を「そもそも」と読むのが正しければ)亀女房は浦島太郎の「年」を筥の中に封じ込めていたので太郎は年を取らなかった。筥を開けてしまったのでその「年」が太郎の体と合体して年老いてしまったのだ、と。


なるほどそういうことか…


だがちょっと待って欲しい。ということは「亀のはからい」が無ければ太郎は龍宮城であっという間に老人になってしまったということになるのではないか?


すると、龍宮城の時間の流れが違うから太郎は年を取らなかったという説明は成り立たなくなるのではないか?


ここのところどう解釈すれば良いのだろうか?また寝られなくなっちゃう(古っ)



※ ちなみに俺は純粋だった子供の頃は、素朴に浦島太郎は魔法で老人になったんだと思ってた。魔法でカエルの姿に変えられた王子のように。魔法を使うと大抵は煙が出てくるし。最近だと「ハウルの動く城」のソフィーもそうか。