⇒asahi.com: 極北、イヌイット以前に「巨人」いた 毛髪で伝説裏づけ - サイエンス
研究チームは、グリーンランドの約3千年前の居住地跡から見つかった凍結した人の毛髪から母方の祖先をたどれるミトコンドリアDNAを調べた。その結果、遺伝子は現代のイヌイットやアメリカ先住民とは異なり、シベリアやベーリング海峡の周辺の住民と似通っていた。
これは別にいいんだけど、だからといって、それが、
イヌイットの間には「極北地域にはツニートと呼ばれる心の優しい巨人が住んでいた。だが我々の祖先を見たら、目から血を流して逃げた」という伝説がある。
ということと関係があるのかっていえば、俺は関係ないと思う。「神話」はあくまでも「神話」だというのが俺の考え。
イヌイットの「伝説」の詳細は知らないけれど、記事を見る限りでは、日本の天孫降臨説話とそっくり。むしろそっちの方が興味をひく。オオクニヌシの子のタケミナカタは千引の石(千人引きの大岩)を手の先に差し上げたってくらいだから、「巨人」だったのだろう。そして、タケミカヅチとの力較べに負けて「逃げた」。あと、「目から血を流して」というのは、「目が赤い」ということで、サルタヒコの目が「赤ほおずき」のようだというのと似ている。
「巨人族」で検索するといっぱい出てくるし、太古の世界に「巨人」がいたという伝説は、かなり普遍的なものではなかろうか? で、現実の世界で、原住民の前に先住民がいたというのも、ありふれたことだから、「伝説」と「事実」が合致したからといって、それで「伝説に史実が反映している」とするのは違うんじゃないかと思いますね。
そもそも、「巨人」とあったら、そのまんま「巨人」と解釈すべきで、現実的な「大きな人」なんてレベルのものじゃないと思うんですよね。
それから、「日本の神話」とか「イヌイットの伝説」なんていうと、ローカルなものだと考え勝ちだけれど、元々は、そんな地域的なものではなくて、全世界の成り立ちを説明したものだと思うんですよね。だからイヌイットが「我々の祖先」というとき、今ではそれは「我々イヌイット」と解釈されているのかもしれないけれど、本来は「人類」って意味だったと思うんですね。