ニュートリノ光速を超えず

 昨年9月に発表された実験結果は、光より速いものはないとするアインシュタイン相対性理論の前提を覆すとして大きく注目された。各地で検証実験が計画されたが、先月には装置をつなぐケーブルに緩みがあった可能性が浮上。検証の一つで否定的な結果が出たことで、実験が誤りであったとの見方が強まりそうだ。(共同)

ニュートリノ:光速を超えず 欧州研で検証実験 - 毎日jp(毎日新聞)


実験に失敗はつきものということで。


こうやって「新発見」があって、検証されて、誤りが見つかってということを繰り返すのが科学というもの。


ところで、

実験では、732km離れた発射地点と観測地点の両方の時計を、GPSで合わせていました。上記論文の著者ヴァン・エルブルク博士によると、どうもOPERA実験チームの解析では、GPSを積んだ衛星の運動の相対論的効果のうちで「ローレンツ収縮」と「検出器の相対運動」を入れ忘れていたらしい。それを考慮すると、ちょうど64 ナノ秒だけニュートリノが遅く到着してる勘定になる、というのです。

つまりもしこの指摘が正しければ、 残念ながらニュートリノの速度は測定精度内で光速と同じ、という事になりそうです。

ニュートリノ減速す - Researchmap
はてなブックマーク - ニュートリノ減速す - Researchmap

というのは結局何だったんでしょうか?


上の記事では「ケーブルに緩みがあった可能性」が指摘されているけれど、下の記事は「検出器の相対運動を入れ忘れていた」という話。結果的にニュートリノが光速を超えないということになったからといって、前からわかっていたということにはなりませんよね。


まだ「なぜ間違えたのか」という原因が確定したわけじゃないので、「検出器の相対運動を入れ忘れていた」のが原因の可能性が無いわけじゃないですけどね。


元々、実験結果が間違ってる可能性が高いことは予想されたわけで、だからといって当る確率の高い方を選択した側が言ってることが正しかったかといえば、かなり怪しい話もあったけれど、そういう人もこれから「ドヤ顔」をするであろうと思われ…