次に
「中央の意図に沿うように」というのもよくわかりません。こちらとしては、「中央の意図」なるものは想定していないつもりです。
だけれど、これは書かなければならないことが多いので簡略に書いたので誤解されたのかもしれないけれど、要は「単一の意志」ってことです。計画経済のもとでは中央が指示を出す。しかしそれは本質的なことではない。ここで何度も書いたことがあるけれど革新思想を理解するためには「一般意志」というものが重要になる。
面倒だからウィキペディアの引用をすると
国民、市民の意志とは何であり、それが政治に反映されるとはどういうことであるかという疑問の解決になった。これを発見するまでの過程は自由な討論であり、そこから全ての人にとって自分の問題でもあり全員の問題でもある事項が導き出され、それが一般意志となる。だが、これはあくまで全員に共通する意志であり、個人の事情や利害の総体ではない。全ての人が個人的な特定の事情をこの場限りで捨て去った時こそ共通の意志が明らかとなり、この共通の意志だけを頼りに社会が成立する。この社会の秩序はこの一般意志のみを根拠とした主権の力であり、こうして個人と社会と主権が全く対立することなく重なり合う局面となる。
こういった思想のもとでは「中央政府の意志」と「個人の意志」の区別は存在しない。革新思想において「個人の自由な意志」というのはこの「一般意志」のことなのである。
しががって「個人の自由な意志」と書いてあっても、それが必ずしも「多様な意志」を意味するものではないことについて、十分な注意を要するのである。
事実として「自由な意志」を尊重すると言いながら、自分の意見と相容れない主張を、自分の意見が個人的な意見ではなくて絶対的な真実であるとの信念から、何の躊躇もなくナチュラルに排除する人々は現在も多数存在するのである。