2010-01-01から1年間の記事一覧

それはプロイセンの公教育のことでは?

⇒教育のコストは誰が負担するのか? (内田樹の研究室) というのが、公教育制度導入までのアメリカの納税者たちのロジックであった。 いまの日本の奨学金制度を支えるロジックとほとんど選ぶところがない。 それに対して、公教育制度の導入を求める教育学者た…

アメリカの公教育の目的

ところで、内田先生の記事 ⇒教育のコストは誰が負担するのか? (内田樹の研究室) それに対して、公教育制度の導入を求める教育学者たちはこう反論した。 いやいや、それは短見というものでしょう。 ここでみなさんの税金を学校に投じると、どうなりますか。 …

ボランティアの奨励

一応念のために書いておくけれど、奨学金を受ける学生にボランティアを奨励するといるという話は確かにありますよ。 ①「学びたい人を応援します!」 ○ 学ぶ意欲のある学生が経済的理由で学業をあきらめることがあってはなりません。学びたい人を応援するため…

一度作ってしまった「物語」を崩すことは難しい

昨日の件で共同通信の記事を引用して、さらに、 「ボランティアを申請の条件にはしない」 と太字で書いたのに、理解できない人がいるみたいだ。 俺の共同通信の記事に対する理解は間違っているのか?理解が間違っていないとしたら、そしてそれが事実と違うと…

今日の内田樹先生シリーズ「内田先生奨学金に物申す」

結論を最初に書くと、またやっちゃった?って話。 ⇒教育のコストは誰が負担するのか? (内田樹の研究室) 増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労…

「ご政道」とは何か?

俺は日本史が趣味なんだけれど、そんなに詳しいわけじゃない。だからこれについて正しいとか間違っているとか判断できない。ただ疑問に思うので後で調べるための備忘録として。 ⇒3ToheiLog: ハラキリ・フィクション:説明の破綻と生贄の死 丸山センセイの「…

上杉隆

⇒問題点だらけの「世論調査」という怪物が独り歩きする危険|週刊・上杉隆|ダイヤモンド・オンライン その問題点を克服する上で行われている電話調査にも限界がやってきたようだ。いまや日本人の携帯電話使用率は、固定電話のそれをはるかに超えた。中には…

日本人の寄付がアメリカ人と比べて少ないのはなぜか?(6)

日本人の寄付が少ないのは税制のせいだと良く言われる。しかし、これは答になっているのだろうか? 日本人が寄付をしたいと本気で考えているのなら税制は既に変わっているはずだ。日本は民主主義国家なのだから。というか独裁者が支配する国であっても寄付の…

昨晩不快な夢を見た

10年以上前の出来事をそのままじゃなくて、バラバラにして再構成したような変な夢。目が覚めたら眠りに入ってから2時間くらいしか経ってなかった。 で、ふと疑問に思ったのが、俺はあまりにも不快だったから目覚めたのか?それともたまたま目覚めたので不快…

イスラム教徒の墓不足

⇒asahi.com(朝日新聞社):日本のイスラム教徒に永眠の地は 土葬の墓、住民ら反発 - 社会 日本は今後イスラム教徒が増えていくであろう。一方、全体では少子高齢化で人口が減っていく。限界集落が今問題になっているけれど、やがてそこは全滅して人が住まな…

ファシズムと社会有機体説

⇒「共同体主義」? - Living, Loving, Thinking 俺があの記事とその反応への違和感を表明しようとしても、そもそも俺に説得力のある説明をする能力が無いので誰も関心を示さない。その点sumita-m氏は知識豊富だし、信頼されてもいるので、その発言には説得力…

日光東照宮と安土山総見寺

大国大東さんという方から「一度私のブログを訪ねていただけませんか」とコメントを頂いたので早速訪問してみました。 まだ全部読んでないし、検証するのは時間がかかると思うんだけれど、とりあえず目に入ったのはこの記事。 ⇒日光東照宮本殿の正確な位置関…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その10)

さらにあれから「立国は私なり」を検索していると、 ⇒福澤諭吉 「痩我慢の説」について(その2): 悠々自適 という記事を見つけた。 江藤淳が『海舟余波』で『痩我慢の説』の批判をしているそうだ。 当初から勝は薩長と対決せず、進んで抵抗を放棄したとで…

久しぶりに右翼と左翼について書いてみる

⇒世界を上下に分けて下に味方するのが左翼、世界をウチとソトに分けてウチに味方するのが右翼 - Zopeジャンキー日記 ここで紹介されている松尾匡氏の「右翼と左翼」の定義についてについては前に書いた。 ⇒松尾匡氏の「右翼と左翼」の定義について - 国家鮟…

どっちもどっち

⇒Togetter - 「ホメオパシーを厚生労働省が療法であると認めた?」 ⇒はてなブックマーク - Togetter - 「ホメオパシーを厚生労働省が療法であると認めた?」 このご連絡は面白いね。療法に関して説明できないとは、厚生省が療法であると認めたことだよね。 R…

ファシズムが左翼に分類されるのはファシズムが国家社会主義と呼ばれるからではない

ファシズムを左翼に分類したのはルートヴィヒ・フォン・ミーゼスだそうだ。 ⇒ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス - Wikipedia 俺はミーゼスの主張がどんなものなのか知らないけれど、P・F・ドラッカーは、 過去二〇〇年の西洋の歴史において、あらゆる全体主…

ホメオパシーは「医業」か?

⇒ホメオパシーはまた人を殺すだろう - NATROMの日記 この記事を読んで思うことは、「これって医師法違反なんじゃないのか?だとすればそれを取り締まればいいだけの話だ」ってこと。NATROM氏も それに、仮にホメオパスに経験や知識があったとしても、重篤な…

ナチスの「脱経済的政策」

⇒ナチスの「25カ条綱領」は日本人必読では - Zopeジャンキー日記 ⇒ぼくのかんがえたナチス - シートン俗物記 全体主義は資本主義か社会主義かという問いは、問い自体が間違っている。もちろんいずれでもない。ファシズムは、資本主義と社会主義のいずれをも…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その9)

まだまだ続くぜ。続けようと思えばね。 立國は私なり、公に非ざるなり。 福沢諭吉はなぜこのようなことを書いたのか? それは、この後で福沢が主張することが絶対的に正しいのではないということを言いたいがためである。絶対ではないのだから相対的にならざ…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その8)

次に加藤寛 行政改革の旗手として歩んできた加藤寛が、7人の論客とともに日本人に問う!官に頼らず、独立の丹心なくして日本の再生はない。 ⇒Amazon.co.jp: 立国は私なり、公にあらず―日本再生への提言: 加藤 寛: 本 これは本の宣伝文句だから加藤寛が本当に…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その7)

我ながらくどいとは思うけどさ、「立国は私なり」の解釈があまりにもアレなんで、書かざるを得ない。 ここまで変な解釈がまかり通っているというのは、福沢諭吉自身に責任があるのかもしれない。しかし、文脈を考えれば正しく理解できるものであり、俺は理解…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その6)

最初に俺は 立國は私なり、公に非ざるなり。 について、「これはそのまま受け取れるだろう」と書いた。 ところが、「立国は私なり」で検索してみると、どうやらこの考えは甘かったようだ。不思議な理解がいっぱいある。どうしてそんな理解をしてしまうのだろ…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その5)

正直飽きてきた。内田樹先生の記事へのブックマークは増える一方である。批判的なコメントはほとんど無いし、批判的な記事も無い。空しい。 というわけで、ちょっと趣向を変えてみる。 「痩我慢の説」で検索して見つけた記事に、 ⇒小林秀雄の読んだ本(二) …

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その4)

福沢諭吉曰く 左れば、自國の衰頽に際し、敵に對して固より勝算なき場合にても、千辛萬苦、力のあらん限りを尽し、いよいよ勝敗の極に至りて、始めて和を講ずるか、若しくは死を決するは、立國の公道にして、國民が國に報ずるの義務と稱す可きものなり。即ち…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その5)

立國は私なり、公に非ざるなり。 福沢諭吉は『痩我慢の説』冒頭でこう述べる。ここで多くの人が誤解する。福沢は「立国は私的なことで公的なことではない」ということを主張しようとしているのだと。 しかし、そうではない。俺の見るところ福沢は徹底したリ…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その2)

福沢諭吉曰く 扨、この立國立政府の公道を行はんとするに當り、平時に在ては差したる艱難もなしと雖も、時勢の變遷に從て國の盛衰なきを得ず。 内田樹先生曰く 別に国運が隆盛で、平和と繁栄を豊かに享受しているようなときには、そんなことを考える必要はな…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その1)

福沢諭吉『痩我慢の説』のテキストはここ。 ⇒痩我慢の説(言葉 言葉 言葉) まず言っておくけれど、俺は福沢諭吉が『痩我慢の説』で主張していることを全面的に同意しているのかといえば、そういうわけではない(現状ではそうだけれど、もっと読み込んで考え…

内田樹先生の利用法

「内田樹が面白い情報を提供したときは疑え。十中八九間違っている」というのが俺のポリシー。 ということは前に書いた。 ⇒患者様 - 国家鮟鱇 さて内田樹先生の最新エントリー。 ⇒公共性と痩我慢について (内田樹の研究室) 福沢諭吉の『痩我慢の説』が紹介さ…

福沢諭吉は『痩我慢の説』で何と言っているのか(その3)

福沢諭吉曰く 扨、この立國立政府の公道を行はんとするに當り、平時に在ては差したる艱難もなしと雖も、時勢の變遷に從て國の盛衰なきを得ず。其衰勢に及んでは、迚も自家の地歩を維持するに足らず、廢滅の數、既に明なりと雖も、尚ほ萬一の僥倖を期して窟す…

サホヒコ・サホヒメは兄妹始祖神話?

⇒長江と「兄妹始祖神話」と「歌垣」(メモ) - Living, Loving, Thinking より孫引き。 工藤隆「長江から延びる「兄妹始祖神話」」『毎日新聞』2010年10月6日少し抜書き; 兄妹始祖神話の典型的な「話型」(モチーフ、大きな話の型)は、洪水などによって人…